金の超球が太陽光の約9割を吸収し熱電発電を2.4倍にした
金の超球が太陽光の約9割を吸収し熱電発電を2.4倍にした / Credit:Plasmonic Supraballs for Scalable Broadband Solar Energy Harvesting
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金の超球が太陽光の約9割を吸収し太陽熱電発電を2.4倍にした (3/3)

2026.02.25 21:20:41 Wednesday

前ページ太陽光の9割を吸収できる「極小の金の球」

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同じ金でも世界は変わる “並べ方の科学”がひらく太陽エネルギーの未来

同じ金でも世界は変わる “並べ方の科学”がひらく太陽エネルギーの未来
同じ金でも世界は変わる “並べ方の科学”がひらく太陽エネルギーの未来 / Credit:Canva

今回の研究により、「金ナノ粒子を超球に自己集合させたフィルムを使えば、可視と近赤外線から成る太陽光の主要成分を平均約9割(約88.84%)吸収し、熱電発電モジュールの出力を従来の金ナノ粒子フィルムと比べて約2.4倍にできる」ことが示されました。

同じ材料でも、ナノスケールでの「並べ方」を変えると、太陽から引き出せるエネルギーの量がここまで変わるという事実は、とても示唆的です。

金という古くから知られた金属が、ミクロの世界では、殻で可視光を、芯で近赤外線を受け止める「二刀流キャッチャー」のようにふるまい、それをマクロな発電デバイスとつなぐ橋渡し役になっているのです。

責任著者のひとりであるSeungwoo Lee氏はプレスリリースで、「私たちのプラズモニック超球は、太陽スペクトル全体を収穫するためのシンプルなルートを提供します」とコメントし、このコーティング技術が高効率な太陽熱・光熱システムの導入ハードルを下げる可能性を強調しています。

もちろん、これで太陽で全ての電気が賄える日が直ぐ来るわけではありません。

使っている材料は金なので、コストもかかります。

それでも、この研究には大きな価値があります。

ナノ粒子の自己集合と簡単なコーティングだけで、発電能力を大幅にアップできることが示されたからです。

将来的には、金の代わりにより安価な金属や複数の材料を組み合わせたマルチコンポーネント超球、あるいはプラズモニック材料と誘電体を混ぜたハイブリッド超球へと発展させることで、光の吸い方(光学応答)をさらに細かく調整できるようになるかもしれません。

そうなれば太陽熱電発電や太陽熱を使った水の浄化装置、産業用の熱マネジメントなど、「光を熱に変える」ことが重要なあらゆる場面で、既存の装置を黒く塗り替えるだけで性能を底上げできるかもしれません。

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金の超球が太陽光の約9割を吸収し太陽熱電発電を2.4倍にした (3/3)のコメント

ポリカーボネイト

スピード感が大事かなと考えます。なればいいねレベルではなく、確実に5年以内とかじゃあないと

ゲスト

ブロック崩しを思い出した

ゲスト

フォトニック結晶みたいなものかな?学生の時に研究していたのを思い出しました。懐かしい。ぜひとも実用化してほしいですね。

ゲスト

基礎研究が蔑ろにされがちな韓国で、こういった研究が成されたのは評価できる。
この研究により実証された着想に基づく、次の研究が広がることを期待する

ゲスト

これが何処までの光の強さまで対応できるか気になる所ですが上手く行けば太陽熱発電モジュールだけではなく、屋根に塗布して雪が積もる前に全部溶かす事が可能であれば世界中でも問題になってる落雪による死亡事故を大幅に減らせるんじゃないですかね?
それこそ雪下ろし時の転落とかは日本くらいでしか聞いたことないですが、積雪による家屋倒壊とかは普通に聞きますしそうでなくても頑丈な建物にするよりも安価に済むのなら家屋の建築コストも下がるでしょう。
更に言えば、安価で簡易的な融雪機構にすることが可能であれば被災時に必要となる水の保存方法として雪室を利用する事も可能でしょうしそれで水を煮沸させられればそのまま飲用水としても使えるのかなと思いました。

ただ、太陽光などのエネルギーを熱に変換する技術は多くありその効率もどんどん上がっていってますが、熱をエネルギーに変える技術は未だ限られていて効率もそこまで良くない印象です。そこが解決しなければこの技術を応用した発電設備も結局は地球温暖化を進める原因になるのかなと。
実現可能かは分かりませんが、太陽熱や人工的な熱に依存せずとも、既にある大気の熱から微弱ながらも発電や他エネルギーへの変換が可能な技術(端的に言ってしまえば変換効率100%超の技術)の開発が待ち遠しいですね…

    ゲスト

    雪が降っている時には、雲に遮られて太陽光線の大半が屋根に届かないから、雪は融けずに積もりますし、屋根に雪が少しでも積もれば積もった雪で太陽光線が反射されてしまって屋根の表面に届かなくなるから、やはり雪は融けません。
     従って、屋根の表面における太陽光線の吸収率を上げただけでは、雪が積もる前に全部溶かす事は出来ません。

yy

ゴールド自体に実用性が生まれれば価格はもっと跳ね上がるな。

ゲスト

>光から熱を経て電気に変わる全体の変換効率も約0.128%から0.303%へとほぼ2.4倍になりました。

 太陽熱発電って高熱源の温度があまり高くないので効率が低そうなイメージが元々あったけど、0.5%にすら全く届いていないほど低いとは思わなかった。
 いくら太陽光の9割を吸収出来ると言っても、これじゃあ光のエネルギーの殆どを熱に変換してただ捨てているだけです。
 光電池式の太陽光パネルなら、一般的なものでも太陽光のエネルギーの20%前後を電力に変換出来るとされていますから、赤外線を吸収出来るかどうかに拘らずに、全体のエネルギー効率の観点から光電池式を選択した方が良いと思います。

ゲスト

これ金に装飾とか以外の実用性ができるってことやから更に値段あがるんじゃね…?

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