現場はお祭り騒ぎ、思わぬ反発も
無料配布の現場は、単なる物資の受け渡しではありませんでした。
寒波がベルリンを覆い、移動もしにくい時期だったにもかかわらず、事前に告知された配布場所に人々が集まったのです。
袋やバケツ、手押し車などを持ち込み、できるだけ多く持ち帰ろうとする姿が見られました。
東ベルリン郊外カウルスドルフで列に並んだある女性は、「150個で数えるのをやめた。これで私と近所の人たちが年末までやっていけると思う」と語っています。
生活費の上昇を感じていた人にとって、無料配布は現実的な助けにもなっていたことが伝わります。
また、別の人は、「本当にパーティーみたいな雰囲気だった」と振り返りました。
重い荷物を運ぶのを手伝い合い、料理のコツを交換するなど、場の空気そのものが明るくなっていった様子が報じられています。
持ち帰った後の話題も広がりました。
インターネット上ではレシピ共有が加速し、どう食べ切るか、どうおいしく使うかという工夫が飛び交います。
有名シェフのレシピがピックアップされたり、ドイツの元首相がかつて紹介したジャガイモスープの作り方まで再注目されたりして、家庭の台所へと話題が流れ込んでいきます。
一方で、この動きに強い反発も起きました。
農業団体のブランデンブルク農民連盟は、無料配布を「宣伝目的の行為だ」として厳しく批判し、「地域の市場を壊す」と主張しています。
理由は経済の連鎖です。
主食級の食材が大量に無料で流通すれば、消費者は当面それを優先して使い、店で買う量を減らすかもしれません。
すると他の農家の売上が落ち、価格も下がりやすくなります。
生活のために適正価格で売ろうとしている農家にとっては、善意の取り組みが別の苦しさを生む可能性があるのです。
食品ロスを減らしたいという思いと、地域の価格を守りたいという思いが、同じジャガイモをめぐってぶつかってしまう事態になりました。
今回の”ジャガイモの洪水”は、豊作が必ずしも喜びだけでは終わらないという現代の食料経済の難しさを、あらためて浮き彫りにしています。


























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