戦場の鉛が、太陽を受ける側へ

最後に、少しロマンチックな話を。
今回使われた弾丸が作られたのは、日本でいえば戦国時代の終わりから江戸時代の初め。
ヨーロッパでは三十年戦争や宗教戦争のまっただ中です。
かつて誰かを撃つために鋳造された鉛の玉が、土の中で、あるいは誰かのコレクション棚で、ひっそりと400年を過ごしてきました。
それがドイツの研究室に届き、溶かされ、電気を流され、黄色い粉になり、最終的に太陽の光を電気に変える装置に組み込まれる。
かつて命を奪うために作られたものが、今度は命を支えるエネルギーを生む側に回る。
「刀を鋤に変える」という古い言葉がありますが、これはまさにその現代版なのかもしれません。
eBayで400年前の弾丸を買い、真剣な顔でそれを溶かして太陽電池にしてしまう科学者たち。
その突飛な光景の奥には、「どんな過去の負の遺産でも、未来のエネルギーに変えられる」という、静かで力強いメッセージが確かに流れています。
もしあなたの家にいつかペロブスカイト太陽電池が届く日が来たら、そのパネルの中の鉛は、誰かが捨てた古いバッテリーや、土の中で眠っていた弾丸から生まれ変わってきたものなのかもしれません。
古い弾丸が陽の光を受けて電気を生む日は、研究室の中では、もう始まっているのかもしれません。



















































>性能を出すには、今のところ「鉛」が欠かせません。
>鉛を使わないタイプも研究されていますが、現時点で高効率なものは鉛系が主流です。
とあるけど、実験室レベルであれば鉛を使わずに錫を使った
>性能を出すには、今のところ「鉛」が欠かせません。
>鉛を使わないタイプも研究されていますが、現時点で高効率なものは鉛系が主流です。
とあるけど、実験室レベルであれば鉛を使わずに錫を使ったペロブスカイト太陽電池で、効率が23.6%のものが存在しています。
>弾丸製の最高性能セルで効率21%
なのですから、再生した鉛を使ったものよりも、錫を使ったものの方が効率は上です。
錫系のペロブスカイト太陽電池は空気中で劣化しやすいという短所がありますが、当然、劣化を抑制する様々な方法があちこちで研究開発が進められておりますし、表面に保護層を設けて空気に触れないようにするという手もあります。
実験室レベルのものを市販品レベルにするには年月を要しますが、実験室レベルなのは再生鉛を使ったペロブスカイト太陽電池も同様なのですから、再生鉛を使ったペロブスカイト太陽電池が市販可能になる頃には、高効率で耐候性もある錫系ペロブスカイト太陽電池もまた市販可能になる可能性が少なくありません。
そして、錫系ペロブスカイト太陽電池でも高効率で耐候性もあるものが選択肢としてあり得るのなら、わざわざ毒性の強い鉛を使ったものを使う必要などありませんから、少なくともペロブスカイト太陽電池の原料向けの用途としては、記事で取り上げている「廃棄された鉛を再生する技術」を開発する必要性は薄いと思われますし、鉛の他の用途であればそこまで高純度に精製する必要などないものが殆どではないかと思います。
採掘した鉛を精錬するのには使えないのですかね。
鉱石から精錬する際には、鉱石を還元して出来る粗鉛を別な方法で純度を高める事が既に行われていて、金属鉛の普通の用途向けには99.999%なんて純度は必要されていませんから、この研究で使われている方法を鉱石からの精錬に使う意味がありません。