なぜ、創造力を人を傷つけるために使うのか

研究チームが挙げる説明の一つは、自己愛の強い人にとって、不当な扱いが自尊心への脅威になりやすいというものです。
研究チームは、復讐の工夫が、傷ついた気持ちを和らげ、自分が状況を動かせる感覚を取り戻すために使われる可能性を指摘しています。
もう一つの説明候補が、過去の経験による学習です。
人をだましたり、仕返しをしたりして望む結果を得ると、その方法をまた使いやすくなるかもしれません。
それが繰り返されれば、トラブルに直面したときに、悪意ある案を考えることが習慣になっていく可能性があります。
いわば、悪知恵にも「経験によって磨かれる部分」があるのではないか、という仮説です。
ただし、今回の研究は一時点の調査であり、過去の行動が復讐の発想を鍛えたという因果関係を確かめたものではありません。
性格や過去の回答などを合わせても、独創的で悪意ある案の数の個人差を説明できたのは約9%で、性格だけから誰かの危険性を決めつけられる結果ではありません。
それでも、今回の研究では、実際に書かれた復讐案を調べることで、性格や問題解決への自信だけでは捉えられない部分に、日ごろの悪意ある発想や行動が結びついていたことがみえてきました。
今後、人を長期的に追跡すれば、悪意ある工夫で得た成功体験が、次の復讐の発想を育てるのかを検証できます。
創造力の暗い側面を理解するには、才能の大きさだけでなく、その力を何のために、どう使ってきたのかにも目を向ける必要があるようです。




























