
・公衆トイレの便座にトイレットペーパーを敷く行為は、実は不衛生な行為である
・トイレットペーパーは細菌を保持しやすい構造をしており、トイレを流した際に空気中に飛散した便の細菌が多く付着していると考えられる
・細菌との接触を避けるためには便座に「お尻をつけずにしゃがむ」しかない
「できればトイレは家でしたい」と考えている人がほとんどだと思いますが、公衆トイレに駆け込まざるを得ない状況もあります。そんなとき、少しでも衛生的に便座を使用するために、薄っぺらいトイレットペーパーを「シールド代わり」に便座に敷いた経験がある人も多いのではないでしょうか。
しかし、良かれと思って取ったその行動は、実は逆効果だということがわかっています。
そもそもトイレの便座は、不潔な細菌を撃退するようにデザインされています。便座がツルっとスムーズな肌触りになっているのはそのためであり、細菌がそこにとどまるのを難しくしているのです。そして専門家いわく、便座の表面はキッチンのシンクよりも衛生的であるとのことです。
さらなる問題は、トイレットペーパーの構造にあります。でこぼことした表面により吸収性を高めているトイレットペーパーは、細菌がとどまるには理想的な環境を作り出してしまっています。
そして、研究でも明らかにされているように、トイレを「流す」たびに便の細菌が空気中に拡散されます。このため、便器の真横に位置しているトイレットペーパーには、特に多くの細菌が付着することになってしまいます。トイレに「ふた」が付いているのはこれを防ぐためであり、トイレを流す際にはふたを閉めてから流すことが奨励されていますが、公衆のトイレでそこまでする人は少ないでしょう。
つまり、公衆トイレでトイレットペーパー敷いて、その上にあなたのお尻を重ねてしまえば、あなたの肌は、便座に直接座るより多くの細菌にさらされてしまっているということです。
結局のところ、あなたが細菌との接触を避けるための確実な方法は、「便座にお尻をつけずにしゃがむこと」に限られます。また、あなたの手がどんなに細菌まみれであっても、石けんを使って20秒間、爪の間までしっかりと洗い流すことができれば大丈夫とのことです。
そして考えたくはありませんが、当然ながらトイレットペーパー同様、ドアノブなども便の細菌によって汚染されていることになります。そのため、細菌との闘いにおける「完全勝利」を目指すのであれば、ドアノブを握るときにはペーパータオルなどで直接触れないようにしなければなりませんが、さすがにそこまですると他に失うものがありそうです。