「共感」の正体
「共感」という単語の意味は難しく、一言で説明できるようなものではありません。「利他主義」と同様に考える人もいますが、それでは「共感」の表面的な部分しかなぞることができていません。文脈によっても意味を異にするその単語ですが、臨床心理士や心理カウンセラーは「共感的」な人間のコアにある「3つの特徴」について指摘します。
1. 体験を共有できる能力
2. 他者が感じていることを直観、あるいは理解する能力
3. 他者の悩みに情け深く「社会的な利益」を意図して反応できる能力
「共感」については心理学の分野のみならず、社会学や生物学、神経科学に関する分野などにおいて、幅広く議論されてきました。一般的には、狩猟採集時代の人類が他の体の大きな動物に勝つためにこの「共感能力」を利用したことがよく知られています。
こうした学際的な研究は、以下の「2つの問い」に答えることを目的としたものです。
1. どのようにして他者の「考え」や「感情」を理解するのか
2. 何が私たちを「社会的な行動」へと導くのか
では、このような問いに対する答えはあるのでしょうか。