■アメリカの世論調査機関「ギャラップ」によると、現在、「1日の時間が足りない」と感じる「時間欠乏症」に陥る人が世界中で増えている
■自分の取る行動に必要な時間の量を正しく見積れていないことが原因
■「時間欠乏症」は心理的な不安や焦燥感を高め、幸福度の低下につながる社会問題である
皆さんは一日の時間足りていますか?私は
ハーバード・ビジネス・スクールのアシュリー・ウィラン氏によると、最近、時間がまったく足りないと感じる「時間欠乏症(time poverty)」に陥る人が世界中で増え続けているようです。時間欠乏症は不安や焦燥感を高め、幸福度を低下させてしまう原因であり、社会的な問題ともなっています。
ウィラン氏による詳細な研究報告は、1月に「Harvard Business Review」上に掲載されています。
https://hbr.org/cover-story/2019/01/time-for-happiness
時間欠乏症の原因は「時間見積もり能力」の不足
アメリカの世論調査機関「ギャラップ」がアメリカ在住のおよそ250万人を対象に調査したところ、80%以上が「毎日やりたいことができずに時間が過ぎている」と感じていることがわかりました。ウィラン氏はこの原因について、「やることに必要な時間を正しく見積れていないからだ」と指摘します。
日々の雑事に必要以上の時間を割いてしまうと、1日はますます速く過ぎてしまいます。例えば、SNSやメールチェック、携帯ゲームなどに何十分も時間をかける必要はありません。娯楽は必要ですが、「自分はどれくらい娯楽に費やせば満足感が得られるのか」というバランスをみて、時間を決めることは不可欠です。そしてこのような間延びした時間をなるべく無くしていくことが、1日を充実させる鍵となります。
また、時間を有効に活用するためには、1日の計画を立てて生活することも大切。何のプランも立てず、行き当たりばったりに行動してしまうと、時間が過ぎるのはあっという間ですし、時間を有効活用できません。