
■触手で覆われた顔を持つナマズが発見された
■なんのために触手がついているのか
■生態系におけるナマズの役割とは何か
世界の動植物種の3分の1が生息しているとされる、南米の広大なアマゾンの熱帯雨林。最近アマゾンで、顔が触手で覆われた不思議なナマズが発見されました。

顔から無数に出ている触手は、自分自身と、巣を守るためにあるとのこと。オスのナマズは触手を使って、子供の世話をし、自分たちを狙う捕獲者から卵の巣を守り、敵を追い払います。よって、メスは相手のオスの触手を観察して、自分にとって頼りになる最適なパートナーを選ぶのです。
またナマズは、水がきれいで、動きの速い急流の川や小川を好んで生息しており、環境の微妙な変化に対してとても敏感な魚です。そのため、大規模な農業や森林の伐採、抽出するために水銀を用いる金の採掘によって環境破壊が起こると、多くのナマズが環境に適した場所に巣を移します。

ナマズと生態系全体には相互関係があります。アマゾンでも、ナマズを巨大なカワウソが食べ、ジャガーが魚やカワウソなどの魚を食べるといった食物連鎖が存在します。実際、ジャガーから高い水銀が検出されています。つまり、魚が汚染されると、魚以外の哺乳類などにも影響が及ぶのです。
このように、ナマズの生息状態を調査することによってアマゾンの生態系や環境が把握しやすくなり、水銀など深刻な影響から近隣の住民を守ることにもつながります。よって、ナマズの研究は野生動物だけでなく、近隣に住人にとっても重要であると考えられます。
ナマズのように生息を把握することで、環境や人々にもたらす影響を教えてくれる生物はまだまだ存在するはずです。今後の調査に期待しましょう。