「美の天使たち」の苦労
こうして世界中に広まりつつあるマシンですが、「美の天使たち」に提供されたものが世界初の落書き除去マシンとなっています。映像を見れば良く分かりますが、シルバー色のレーザー光を落書き部分に当てるだけで、みるみる内に消えていくという、まさにマジックのようです。
しかし、それでも天使たちにとって、かなり骨の折れる作業であることには間違いありません。というのも、レーザーはピンポイントで落書き部分に当てる必要があるので、除去範囲は必然的に狭くなり、10cm四方にある落書きを完全に消すには20分もかかります。
定年退職をして、現在、「天使」の一員となった(下級天使?)67歳のロベルト・レプリ氏は「街の景観を守るためにも、市民全員が協力して除去作業を行う必要があるでしょう」と話しています。

努力のかいあって、今年の1月には除去作業が完了していたポンテ・ヴェッキオですが、なんと今ではすでに元通り落書きが横行している状態となっています。
この事態を受けて、「美の天使たち」を率いるダニエラ・バレンチーニ氏(上級天使)は「とても遺憾で、落書きをした若者たちに、除去作業にかかる時間や苦労を知ってもらいたい」と憤りを覗かせています。
それでも、天使たちはフィレンツェの街から落書きがなくなるその日まで、ワルガキたちと戦い続ける姿勢です。
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