パラドックスが起こる仕組み
流行が現れて、社会に浸透するまでには、ある程度の時間がかかります。斬新でファッショナブルな商品が登場しても、すぐに普及することはありません。
その代わり、まずはそれに関する情報がインフルエンサーによって広められます。次に、テレビやSNS、口コミなどで一般の人にも伝わり、そこで流行の大きな変化が生じるのです。この流れに追随するのが、メインストリームの大きな動きとなります。
反対に、ヒップスターはメインストリームによる流行の支流ができると、その流れを拒絶し逆向きの格好をし始めます。例えば、世の中でヒゲを伸ばす文化が流行すると、ヒップスターたちはヒゲを剃り始めるのです。これは、逆もまたしかりでしょう。
すると今度は主流に逆行するヒップスターたちの間で流れが同調し始めるのです。ドゥブール氏は「メインストリームと反対を行けば、それもある意味で、影のメインストリームとなってしまう」と説明します。
そして、ヒップスター同士の同調が大きくなると、それがメインストリームに伝わり、またひとつの流行となります。つまり、流行を作るのも流行から逃げるのもヒップスターだというわけです。
自分たちが将来的に逃げることになるものをこれから作るなんてなんとも皮肉な話ですね…
https://nazology.kusuguru.co.jp/archives/1157