■ツボカビという真菌が、過去50年で501種の両生類の数を激減させ、うち90種を絶滅させたことが判明
■ツボカビは、両生類の表面に寄生・繁殖し、皮膚呼吸をできなくさせて死に至らしめる
■ツボカビのさらなる拡散や、新型の出現を阻止するための取り組みが、国際社会に求められている
全「両生類界」が震撼。
最近の研究で、ある真菌が多くの両生類を死に追い込んでいることが明らかになりました。両生類の表面に寄生・繁殖し、皮膚呼吸をできなくさせて死に至らしめるという、カエルたちも真っ青のこの恐ろしい真菌です。
結合組織を構成する遊走細胞を放出する際に丸い蓋が開くものがあり、その姿が壺のように見えることから、「ツボカビ」と名付けられています。
ツボカビがもたらす世界的な影響を今回はじめて測定したのは、42名の研究者から成るオーストラリア国立大学が率いる国際チーム。論文は雑誌「Science」に掲載されました。
http://science.sciencemag.org/content/363/6434/1459
過去50年で90種の両生類を絶滅させたアジア生まれの真菌「ツボカビ」
ツボカビが引き起こすツボカビ症は、大量の両生類が死亡した謎の原因を調査していた米・ジェームズクック大学の研究チームが、1998年に発見しました。ツボカビ症は、2種類のツボカビによって発生します。
これらはどちらもアジア原種と推定されていますが、人間が行う合法・非合法の動物取引などが原因で、世界中に拡散したものと見られています。

今回の調査で、「ツボカビ症がどの程度拡大しているか?」、また「カエル・ヒキガエル・サンショウウオなどを含む両生類にとってそれがいかに破壊的であったか?」が、明らかになりました。なんとこの50年間で、少なくとも501種の両生類の数を激減させ、そのうち90種を絶滅させたと推定または確認されたそうです。