ブラックホール画像化のためのアルゴリズムをつくる
今回撮影されたのは、地球から5500万光年にある楕円銀河M87の中心にある超大質量ブラックホール。ブラックホールは目に見えないものですが、周囲にあるガス物質を非常に強力な重力で引きつけて影を作ります。そこを狙って撮影するという、困難きわまりないプロジェクトなんです。
ケイティさんは、2016年に行われたTEDトークでも、ブラックホールの撮影方法を詳しく話しています。そのときの様子が下の動画です。
EHTプロジェクトチームは世界にある6ヶ所の電波望遠鏡を使って同時にブラックホールを観測し、そのデータを集めて画像化を試みました。多くのデータを集めたにもかかわらず、実際とは異なる画像になったりとまだ大きなギャップがあったそうです。
そこでケイティさんは、取り集めたデータをつなぎ合わせてギャップを埋めることのできるアルゴリズムを作ったのです。そして見事にブラックホールの正確な画像化に成功しました。

そして日本を含む他の2つの国でも違う方法で画像化を行なった結果、同じブラックホール像が確認されており、画像の信頼性も大きく高まっています。今回の成功を受けて、ケイティさんは「1人では到底不可能な偉業で、あらゆる分野の人たちが一丸となったから達成できた」とあくまでも謙虚。すごい才能を持ちながら決して驕らない一面に、チームの雰囲気の良さも垣間見えますね。
今でこそ少ない女性科学者の割合。しかし今回の活躍を受け、今後ますます男女関係なく活躍の舞台が広がることが期待されます。