天体望遠鏡「GREAT」を高度1万3700mの高さへ
この難題に対し研究チームは、NASAの主導していた航空観測ミッション、通称「SOFIA(= Stratospheric Observatory for Infrared Astronomy)」と協力。
このミッションには、ボーイング747-SPを改造した大型旅客機が使用されており、高度1万3700mという地球上の水蒸気層を上回る高さにまで達することができる。

研究チームは旧式よりもはるかに解像度の高い天体望遠鏡「GREAT(=German Receiver for Astronomy at Terahertz Frequencies)」を製作し、この望遠鏡を上記の航空機に搭載することで、観測の鮮明度を増すことに成功した。
そして2016年5月に行われた3度のフライトを経てデータを分析。その結果「水素化ヘリウムイオン」の特定に成功、類似する波長も問題なく識別することができた。まさにGREATな望遠鏡だ。
ラッキーが重なった。「NGC7027」はおよそ600歳と非常に若く、初期宇宙の状態に近い。宇宙形成の謎を解く研究対象としては最適なのだ。
初期宇宙の解明に一歩近づいた今回の発表。エキサイティングな研究の今後に期待したい。
https://nazology.kusuguru.co.jp/archives/10299