ドームは「死の棺桶」となるか?
ドーム内の汚染物質にはプルトニウム239が含まれている。これは人体に最も有害といわれる物質で、その半減期は2万4千年。
一方でコンクリートの耐用年数は長くて100年ほどだ。悲劇的状況となるのは必至であろう。
この問題に対し、国連事務総長のアントニオ・グテーレス氏は、ドームを「死の棺桶だ」と形容している。
現在もルニット島の汚染状況は広い範囲で続いており、地元住民は島から南に20km離れた環礁に住んでいる。またアメリカからマーシャル諸島共和国に支払われた賠償金も大幅に不足しており、マーシャル議会から批難の声が続出しているようだ。
2013年にアメリカが行なった汚染調査では、すでにエニウェトク環礁の汚染濃度は危険な水準まで達していることが判明している。死のフタが開けられることで、ドームが「パンドラの箱」にならないことを祈るばかりだ。