夫婦カウンセリングも効果なし ついに別居へ
動物園側はこれまでに、「夫婦カウンセリングを受けさせる」「一緒に楽しめるゲームに取り組ませる」など、考えられうるすべての方法を試してきたが、どれもうまくいかなかった。
ポルディの姿が目に入るだけで、ビビは「シューッ!」と音を出して追い払う事態にまで進展しているようだ。生理的に無理ってやつだろうか。
お手上げ状態となった飼育員たちは、個別の水浴び場付きの2つの部屋を用意した。2頭は公式に別居状態となったのである。長年連れ添った夫婦が、ノロノロと別々の道を歩みはじめた瞬間だった。
といっても、「カメは万年」と言うように、カメの寿命はかなり長い。長い一生のうちに、ビビとポルディが再び距離を縮め、和解に至る望みは決してゼロではない。
今のところ、再びシングルガールとなったビビは、新生活を大いに満喫している様子。一方のポルディだが、その表情からは何を考えているかさっぱり読み取れないようだ。

カメは一夫一妻制ではないが、これほど長い時間を共に過ごしてきた2頭が、特に捕らわれた状態の時に離別するケースは稀だと生物学者たちは説明している。
熟年離婚の危機は、なにも人間界に限ったものではなさそうだ。