ホームレスはまだまだ存在するらしい
ホームレスとなった連星は星間宇宙を放浪する羽目になる。
ただ爆発を起こした星はその後、太陽ほどの質量が詰まった「中性子星」に変貌する。そしてそこに向かってまた相方の星からガスやチリが降り注ぎ、中性子星の周りに平らな降着円盤が形成されるという。
円盤は中性子星の強力な重力によって回転するスピードを速めていき、その際に生じる摩擦熱で温度が一気に1000万度まで上昇する。この温度に到達することでようやく、円盤からX線光が放出されるようになる。
要するに観測ではこのX線光をもとにホームレス連星の生い立ちを調査したということだ。
ホームレス連星は全体で30組見つかっているが、研究チームによるとこの他にも無数のホームレス連星が存在するらしい。
というのも今回観測できたのは限られた狭い範囲だけであり、その他の領域にあるX線光源はあまりにも距離が遠すぎて、詳細な観測がまだ不可能とのこと。
チームは現在、ホームレスがどの銀河からやってきたのかを調査中であるが、中にはすでに実家となる銀河がなくなっている連星もあるそうだ。
宇宙の星たちも人と同じように、世知辛い星生を送っているらしい。