Point
■米ディスカバリー・チャンネルの企画で、技術者たちが「アイアンマン・スーツ」を本気で製作
■スーツには鉄ではなく軽くて柔軟なチタンが採用されており、防弾機能も備えている
■1000馬力のジェットエンジンを5つ搭載しており、地上5mのホバリングも可能
6月に始動した米ディスカバリー・チャンネルの新たなテレビシリーズ「Savage Builds」、その記念すべき第一回のテーマが、「アイアンマン・スーツ」だ。
開発を行なったのはシリーズのパーソナリティであるアダム・サヴェッジ氏。インダストリアルデザイン・特殊効果のエンジニアで、映画『スター・ウォーズ』や『マトリックス』のモデルデザインを務めた経験もある。
そんなプロ中のプロたちがリアルなアイアンマンスーツを本気でつくったら、一体どんなものが出来上がるのだろうか?
3Dプリントでスーツを完全再現
「アイアンマン」だが、スーツの素材に用いられたのは鉄ではなくチタンだ。作者的にはここはさぞかし鉄で作りたかったことだろうが、空を飛ぶためには軽く柔軟なチタンの方が適しているらしい。仕方ない。
だから正確には「チタニウムマン」と呼ぶべきだろうが、とにかく作成したのはアイアンマンなのだ。
制作にあたって、まず映画オリジナルに忠実なスーツの型をデータ化し、それを元にチタンで3Dプリントを行なった。
アイアンマン・スーツのデータは、なんと映画を製作したマーベル・スタジオ本社が提供し、3Dプリント技術の提供にはコロラド鉱山大学が参加している。
これはプロの本気が期待できる。
そうして完成したのが、こちらのスーツだ。
カッコいい…カラーリングや形を考えると、これは試作機「マークⅡ」だろう。本物のマークⅡと比べても見劣りしない。
スーツは鉄より柔らかい素材だが、防弾機能はバツグンに優れている。
スーツに22.9mm口径の銃弾45発を撃ち込んだ実証テストでは、銃弾がスーツを貫通することはなく、ほんのかすり傷を残した程度だった。
というか実証テストまでやるのがスゴイ。本家とプロたちの本気をまざまざと見せつけられている。