次元を落として考える
ホログラフィー原理では、重力が2次元には存在しないとしているが、今回の論文を発表したJames Scargill氏は、純粋なスカラーの重力場ならありうる、と理論を展開している。彼の理論によれば、2次元空間でも太陽系のような星系を作ることも可能なのだという。
色々検証が進んでいるホログラフィー原理に対抗する理屈がどこまで信憑性があるのかは、疑問だが今回の論文の一番の核になっているのは、神経回路のような3次元構造の複雑なネットワークを2次元でも再現可能という部分だ。
交差が利用できない2次元で複雑なネットワークの回路を作ることは非常に難しい問題だ。しかし、彼はこれをいくつかの理論を組み合わせて再現できると考えている。
今回論文は、2次元に生命が生存可能かという難解な問題に挑んでいるが、実際のところこれはキャッチーなタイトルのための例えだと思われる。重要なのは、3Dの驚くほど複雑な構造を2Dの構造がサポート可能であることを示唆していることだろう。
こうした問題を考えることは複雑な生物の行動を解明するためにも意義のある研究と言える。
物理の話題はまさに次元の違う、難しい話が多いが、次元を落として考えるというのは、複雑な問題を考えるときにとても重要な方法になる。
彼女(彼氏)ができない! という問題も次元を落とすと解決できるのも、きっと同じ理由なんだろう。
いや、違うか…。