昔も今も赤色矮星のすぐ近くを公転
GJ 3470 bは、他の太陽系外惑星とも明らかに対照的だ。
たとえば、太陽から遠い場所で形成され、後に太陽の近くへ移動してきたと考えられているホット・ジュピターに対し、GJ 3470 bは現在位置する場所とほぼ変わらない「赤色矮星のすぐ近く」で形成されたと考えられている。
GJ 3470 bの起源は、初めに小さな岩石の天体ができ、それが原始惑星円盤の中心に巻き込まれる過程で形成されたようだ。
つまり、その円盤を構成する原始物質から次第に大気を集めたからこそ、ほぼ水素とヘリウムのみで構成された大気を持つに至ったというわけだ。
原始惑星円盤の物質を元にして大気を形成しながら、今も恒星のすぐ近くを公転しているというパターンは、他に類を見ない。
その理由の1つには、GJ 3470 bが円盤から物質をまだ取り込んでいる段階で、恒星が巨大化して円盤が消散した可能性が考えられる。その結果、GJ 3470 bの成長が妨げられ、ガス惑星のような状態に至ったのかもしれない。
宇宙は広いにせよ、太陽系の常識では考えられない異端の存在である。
2021年3月に打ち上げが予定されているジェイムズ・ウェッブ宇宙望遠鏡は、かつてないほどの精度で赤外線を見ることができる。
ハッブルの跡を担う後継者に、謎の「ハイブリッド惑星」解明への期待が掛かる。