サルは本当に「奴隷」なのか?
Animal Placeのスタッフが、実際に現場を訪れたことはないとのことだが、同施設のマルジ・ビーチ氏は、Youtubeにアップされた以下のような動画を観れば、サルたちがひどい扱いを受けていることは明らかだと主張する。
ビーチ氏は、「最も悲惨だと感じたのは、彼らが野生のサルを捕えてロープでつなぎ、一生を彼らのために過ごさせるということです。野生のサルは、一生野生でいるべきなのです」と語っている。
これに対し、タイでサルの訓練学校を営んでいるアリエン・シューローバーズ氏は、サルの扱いに関してAnimal Placeの主張に反論している。
シューローバーズ氏いわく、「学校の雰囲気はいつも穏やかで、叫んだり、罰を与えることはありません。木にはヒアリが住んでいるため、サルは数本の木ごとにオーナーからのチェックとマッサージを受けるのです」とのことだ。
そしてサルが使えないとなれば、当然ながら人間が収穫の仕事を担うこととなるが、シューローバーズ氏はその危険性についても指摘している。「木は相当に高いため、収穫の際には木の真下に立たなければなりません。そして、ココナッツは一度に6~12個ほど落ちてくるため、とても危険なんですよ!」

シューロバーズ氏はその根拠として、世界でおよそ600人がココナッツによって死亡していることを付け加えた。
もちろん、世界を見渡せば、人間が産業のために動物を利用している例は他にも多く存在している。牛が畑を耕したり、牧羊犬が家畜を追い回す姿は誰もが目にしたことがあるものだろう。
この「サルのココナッツ収穫」に関して、あなたはどのような感想を抱いただろう?
動物保護を主張する人たちと、動物を生きていく糧として利用する人たち。両者の言い分が真っ向から対立するのは当然だ。しかし、消費者として恩恵を受けている私たちも、こうした対立構造を無視できる立場であるとはいえないだろう。