Point
■天の川銀河から遠く離れた「太陽系外惑星」を発見することは決して容易ではない
■2019年6月に4000個目の太陽系外惑星が発見されたことを記念して、アーティストがその軌跡を動画で表現した
■近年になるほど発見のペースが向上しており、技術発展のめざましさがうかがえる
地球は決して孤独ではない。
太陽系外惑星の発見が最初に実現したのは1991年の10月だ。そして今年6月、ついに記念すべき4000個目の惑星が発見された。
この発見を記念して、NASAのデータを元にしてつくられた「4000 Exoplanets(4000の太陽系外惑星)」が公開された。これを見れば、これまで発見された太陽系外惑星の軌跡が一目瞭然なのだ。
動画の中で真ん中あたりを横切っているのは天の川銀河だ。このようにくねって見えるのは、太陽系が渦巻銀河の中に漂っているからに他ならない。
太陽系外惑星は、動画の中で示された円の中だ。そしてそれぞれが発見された際に用いられた主なメソッドが、円の色(7種類)によって表現されている。
たとえば紫の円は、その親星の前を横切る際に発見されたことを示している。これは、地球から観測できる親星の明るさが定期的な落ち込みをみせることから、検出が可能となる。
ケプラー先輩の偉大なる功績
約1分間のこの動画だが、発見のペースが最初のうちは遅いことが分かる。1991年の第一号からの最初の10年間で発見された太陽系外惑星は、およそ70しかないのだ。
こうした事実からも、これらの星を見つけることの難しさ、そして宇宙開発に関わる技術が向上してきたことがうかがえる。
技術の進歩だけでなく、多くのリソースが割かれることにより発見のペースは大幅に向上した。2009年以降にペースが爆発的に伸びた理由は、その年にNASAが宇宙探査機ケプラーを打ち上げたからだ。
2010年あたりで左上に紫色の巨大な塊が突然現れるのも、ケプラーがしっかりと仕事をしていた証拠なのである。
ケプラーの運用は2018年で終了したが、同年4月には、NASAは新たな探査機である Transiting Exoplanet Survey Satellite (TESS)を打ち上げており、TESSは20万個にもおよぶ星をスキャンすることができるとされている。
さらに、TESSがすでに発見した中でもおよそ50個の惑星は地球サイズのもので、私たちの「引越し先」となるポテンシャルを秘めたものだ。これから詳細な観測がされることで、より深い理解が得られることが期待されている。
また、こうして新たに発見される惑星の中に、生命の痕跡がみられるようなこともあり得る。30年前とはまったくワケが違う現代の宇宙開発技術がさらに進歩していくことを考えると、私たちがエイリアンと遭遇する日もそう遠くはないのかもしれないのだ。