星生成の停止した銀河 レッドナゲット
この不釣り合いな巨大ブラックホールを持つブルーナゲットは、レッドナゲットと呼ばれる銀河と関係があると考えられています。
レッドナゲットは、年老いて低温になった暗くて赤く光る星ばかりとなった銀河です。ブルーナゲットとは逆に赤い塊に見えることからそう呼ばれます。
レッドナゲットは星生成が停止してしまった進化していない銀河です。死んでしまった銀河とも言えるかもしれません。
そうはいってもレッドナゲットは、星を作るために必要なガスは十分に存在している場合があります。この銀河が星を作れなくなる理由は、中心部の超大質量ブラックホールから吹く風が、ガスを銀河中へ散らしてしまい圧縮できないためだと考えられています。
超大質量のブラックホールは、物質が落ち込んだ際に活性化しますが、そのとき開放されるエネルギーが大きすぎるせいで、周囲を取り巻くガスを吹き散らしてしまうというのです。
この辺りのメカニズムは、まだ完全には解明されていません。ただ、星生成の停止した銀河レッドナゲットが生まれる原因は、そのサイズに対して大きすぎる質量のブラックホールを持つことが原因の可能性があります。
今回の銀河サイズに対して大きすぎる超大質量ブラックホールを持つブルーナゲットも、いずれはレッドナゲットへ変わると考えられ、このメカニズム解明に一役買うかもしれません。
超大質量ブラックホールと銀河の進化過程についてはまだわからないことが多く、両者が本当に共進化の過程にあるかどうかを疑う意見もあります。
研究者はさらなるデータを集めていかなければ、これ以上の推論は難しいとしています。
一見わかりやすそうなブラックホールと銀河の関係についても、未だに謎の部分が数多く残されているのです。