運動直後の「うがい」は良くないかも
ということは、運動直後にうがい薬を使って口内洗浄すると、一酸化窒素を作り出すバクテリアを一掃してしまうということでしょう。
これを確かめるため、研究チームは23名の健康な成人の被験者に協力してもらいました。被験者には、30分の軽い運動をしてもらった後で、「抗菌作用のあるうがい薬」か「ミントの香りのするプラシーボ」のいずれかを与えてうがいをしてもらっています。
その結果、運動後1時間の時点における血圧低下の数値は、「プラシーボ」の–5.2 mmHgに対して「うがい薬」が–2.0 mmHgと、プラシーボより血圧の低下が低いことが分かったのです。
また運動後2時間における血圧の数値を見ると、プラシーボがまだ血圧の低下を見せていたのに対し、うがい薬にその兆候はまったく見られませんでした。

この結果について、ベスコ氏は「研究はまだ小規模ですが、すべての細菌が健康に害を与えるわけではないことが証明されました。体内の殺菌を無差別に殺菌することは、健康維持に必要な生物学的プロセスを妨げる可能性もあるということです」と話しています。