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40年前の手書きブラックホール予想図が、NASA最新のシミュレーション映像と見事に一致 (2/2)

2019.09.28 Saturday

前ページブラックホールの可視化

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40年前にも実現していたブラックホールのシミュレーション

こうしたブラックホールの周囲で起こる降着円盤の状態や、発生する光の経路について、実は40年も前に計算して図に描いていた天文学者が存在します。

フランスの天体物理学者ジャン=ピエール・ルミネは、1960年に発売された「IBM 7090」を使い、ブラックホール周辺で起こる現象を計算し、手作業でその結果をプロットしてシミュレーション画像を作成したのです。

「IBM 7090」はパンチカードを使ってプログラムを動かし計算するコンピューターです。パンチカードなんて言われても何のことか理解できない世代の人も、今は多いでしょう。

J.P.Luminetが1978年に計算した薄い降着円盤を持つブラックホールの最初のコンピュータシミュレーション。/Credit:Wikipedia Commons /Jean-Pierre Luminet

これは1978年に公開されたものですが、驚くほど今回NASAが公開したシミュレーション映像と一致しています。今回解説した、回転の向きによって明るさが変わること、背後を回る円盤が歪んで見えることなど、ブラックホールの特徴が全て網羅されています。

「ブラックホールは見かけ上の光度の違いにより非対称である。これはブラックホールの主要な特徴であり、降着円盤の内部で光速に近い回転を起こすことで、非常に強いドップラー効果を見せる唯一の天体である」ルミネ氏は論文の中で、そのように述べています。

そんな昔に作られたシミュレーション映像が、最新のシミュレーションと見事に一致していて、しかも実際に撮影された映像にも現れているというのは、なんとも感慨深い話です。

ブラックホールの撮影という快挙を見て、一番嬉しかったのはルミネ氏だったのかもしれません。

https://nazology.kusuguru.co.jp/archives/45610

reference:sciencealert,NASA/ written by KAIN

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