ミクロRNAと調節遺伝子を組み合わせれば手足の再生も夢じゃない
実は、ヒトにもある程度の再生能力があることは以前から分かっていました。たとえば、子供が指先を切断した時、正しい治療を行えば欠損箇所を再生することが可能です。ですが、こうした能力には限界があり、関節に受けた累積損傷に対抗することは不可能だと、広く信じられてきました。今回の発見は、それが間違いだったことを証明しています。
また、アスリートや関節の怪我を抱えた人々にとって、この研究は大きな意味を持ちます。ミクロRNAを関節に注入したり、関節炎の予防や治療に効果的な薬剤の開発に用いたりすることができるかもしれないからです。
次なるステップは、オオサンショウウオが持つ調節遺伝子のうち、ヒトが持たないものが何であるのかを突き止め、それをミクロRNAと組み合わせて人体に取り入れることです。
内に秘めたるオオサンショウウオ能力が開花した暁には、私たちが傷ついた関節組織のみならず、切断された手足さえ修復できる時代が到来するかもしれません。