爆発には複数の発火点が存在した?
ここまでは専門家の間でも意見が一致していますが、ボール型に膨張する理由については2つの説に分かれています。
1つは「星の爆発後、残骸は比較的平らだったが、何らかの外的原因でボール状に変化し始めた」というもの。もう1つは「星の爆発自体が球状の塊を作り出した」というものです。
これを検証するため、NASAは2つの説に沿ったシミュレーションを作成し、チャンドラが収集した実際の画像を比較しました。
すると、残骸のデータは、2つ目の爆発自体から塊を生成するシミュレーションに強く近似していたのです。研究チームは「残骸がボール型に膨らんだ詳しいメカニズムは不明ですが、1つの可能性として、星の爆発に複数の発火点が存在したのかもしれない」と推測します。
つまり、星はたった1ヶ所から爆発したのではなく、星の中の複数地点で同時に爆発が起きたということです。
一体ティコの星はどこまで成長するのでしょうか。私たちは地上から、見守ることにしましょう。