ソーダ・タンクが大きすぎ…
発明後、ソーダ機関車の第一号が誕生したのは、ドイツのアーヘンでした。
これとほぼ同時期にフィラデルフィア鉄道でもソーダ・エンジンを導入し、アメリカで初めての(そして唯一の)ソーダ機関車が運用開始されました。
しかし1885年にミュンヘン工科大学が行った実用テストによると、ソーダ・エンジンは、石炭を利用する蒸気機関の60%ほどの燃料しか産出できないことが判明。
それに加えて、サイズも大きく、重すぎるタンクが機関車の効率や駆動力を大幅に落としていたのです。また、燃料の爆発や火傷など、苛性ソーダ自体の危険性も指摘されました。
静かでクリーンに走行できたものの、多くの点で蒸気機関に劣ることから、ソーダ機関車は歴史の影に葬り去られてしまったのです。
こうして蒸気機関の一強時代に突入するかと思いきや、花形はその後すぐにディーゼル・エンジンや電車に取って代わられました。科学の世界も弱肉強食のようです。