Point
■アメリカ・カリフォルニア州の消防局に、1901年の点灯以来、100年を越えて光り続ける電球が存在する
■「100年電球」と命名された電球は、点灯期間の世界最長を記録し「ギネス世界記録」に認定されている
今日10月21日は「あかりの日」。1879年、エジソンが初めて白熱電球を完成させた日です。今回は、100年光り続ける神秘の電球を紹介します。
みなさんは、電球の寿命はどれくらいだと思いますか?
白熱光電球の寿命はおおよそ1000〜2000時間、LEDライトは2万5000〜5万時間で、頑張っても5〜6年ほど。そう、LEDでも「100年電球(Centennial Light)」を越えることはできないのです。
カリフォルニアの「リバモア-プレザントン消防局」の天井に灯されている100年電球は、1901年から118年経った今も光り続けています。
アメリカの電機メーカー「ゼネラル・エレクトリック社」は、これを「永久ライト」と呼んでいますが、今も光り続ける理由は謎に包まれているのです。
「100年電球」の全ヒストリー
意外にも「100年電球」の出自は、1972年になるまで公にはなっていませんでした。その秘密が明らかになったのは、同年にマイク・ダンスティンというリポーターが電球に興味を持ち、数週間におよぶ綿密な調査を行ったことがきっかけです。
「100年電球」は、かつて同国で有名だった「シェルビー・エレクトリック・カンパニー」が製造した、一般的なカーボンフィラメントの手吹き電球でした。
創立者のアドルフ・シャイレットは、天才的な電気技師として知られ、全盛期には、1日に4000個の電球を生産していたそうです。「100年電球」は、もともと30ワットか60ワットの造りでしたが、現在では、4ワットの夜間照明とほぼ同じ明るさの薄明かりとなっています。
ダンスティンの調べによると、100年電球は、リバモア初の発電会社「Livermore Power and Water Company」のオーナーが、1890年代に電球を購入して、会社を売った後に現在の消防局に寄付したようです。
それが1901年のことでした。
こうして無事、電球は消防局にやってきたものの、最初のうちは場所が定まらず、何度もいろんな場所を転々としたそう。現在の所定位置に落ち着くのはもう少し後になってからのことでした。
ダンスティンの報告のおかげで、電球は「世界一長く点灯している電球」として「ギネス世界記録」に認定されました。1901年の点灯以来、電球が消灯されたことは片手で数えるほどしかなく、丸々100年は本当に点灯しているのです。
そんな100年電球にも、2013年に最大のピンチが訪れています。
100年電球を監視していた専用のウェブカメラが、電球の最後の瞬間を示す点滅を捉えたのです。このとき、消防局員やオンライン視聴者を含め、誰もが100年電球の終わりを確信しました。
ところが翌朝、電気技師が安否を確認すると、驚いたことに100年電球は峠を越えて生き延びていたのです。
そして2001年には点灯100年を祝うバースデーも行われ、最高齢の電球として世界中で有名になりました。100年電球も今年で118年になるので、そろそろ改名が必要かもしれませんが、今後どこまで記録を延ばしていくのか楽しみですね。