自然界では、ほんの少しの動きが命取りになります。
身の危険を避けるため、自らを周囲の環境に溶け込ませて偽装する生物は数多く存在します。身体の色を木の幹の色に合わせるガや、砂漠の砂の色と同じ色の皮膚を持つトカゲなどが代表的ですね。
背景の中にじっと静止している時はそれでいいのですが、移動時は一体どうやってカモフラージュを続けるのでしょうか?
生物学者ハーディ・ポー氏の発見
40年以上前にこの疑問に対する答えを偶然発見したのが、生物学者ハーディ・ポー氏です。彼は、北米に生息するミズヘビを調査していた時に、ヘビの身体の縞模様が移動中は消え、その代わりに無地の茶色のように見えることに気づきました。
彼は、このことが岩の多い背景にヘビの姿を溶け込ませているのではないかと考えました。つまり、ヘビの移動速度が速すぎるために、縞模様の濃淡が観察者の目や脳がそれらを見分けられる速度よりも速く切り替わるという仮説に至ったのです。
これは単なる偶然ではなく、ヘビが身体を偽装し、捕食者から身を守るために進化させてきたた特性かもしれません。
問題はポー氏がこの主張を実験で証明しなかったことです。そこで、英ニューカッスル大学の研究チームは、あるシンプルな実験を行うことにしました。