移動中は無地よりもまだら模様に軍配
実験で捕食者の代表として選ばれたのは、カマキリです。研究チームは複数のカマキリに、小さな昆虫のアニメーションがまだら模様の背景を急いで横切る動画をコンピュータスクリーン上で見せました。昆虫は、身体の模様が背景とさまざまな度合いでマッチしたものと、はっきりした縞模様のものが用意されました。
多くの人は、左の画像のように背景と全く同じ模様を持つ昆虫がもっとも効果的だと予測するかもしれません。確かに、こうした模様は生物が静止している時は効果てきめんです。
ですが、動いている時は話が別でした。カマキリは、右の画像の無地の灰色の昆虫よりも、左の画像のまだら模様の昆虫の方をより頻繁に見つけたのです。
これは、昆虫の外見が背景と完全に一致している場合、動くことですぐにカモフラージュが解け、捕食者がそれに気づくからです。それに対して、無地の灰色をした昆虫は、これといった特性に欠けるため、移動中も目立つことがありません。