すべての始まりは睡眠不足
研究者たちは夜間に起きる睡眠の僅かな変化さえ、不安レベルに影響を与えているのだといいます。
研究者の1人、Simon氏は「我々の研究は、不安と睡眠の因果関係を確立するだけではなく、過剰な不安に陥った脳を改善するために必要なノンレム睡眠の種類を特定しようとしているのです」と語っています。
不安障害のある人は日常的に睡眠障害も訴えるケースが多いですが、不安を低下させるために睡眠改善が提案されることは稀です。これはストレスや不安が原因で睡眠に障害が起きていると考えられていることが原因ですが、今回の研究では睡眠障害や睡眠不足が先に発生し、それを原因として強いストレス障害が起こっている可能性が高いことを示唆しています。
不安を強く感じ、絶望に陥りやすい心理状態は、熟睡できていない状況や環境が生んでいます。研究では眠れない夜がストレスレベルを最大30%上昇させることを報告しています。
とはいっても、不安だから眠れないって言ってるのに眠らないと余計不安になるよ、と脅されても負のスパイラルに陥るだけです。
ストレスが溜まっている人は、ストレス発散ばかり考えずにまずは落ち着いてゆっくり眠れる環境を整えることを優先した方がいいでしょう。
深い眠りは自然な抗不安薬(不安抑制剤)として機能しているのです。何より大切なのは、睡眠不足にならないように注意することなんでしょう。