- 地球内部の様子は、地震波の反射や屈折を利用した測定によって行われている
- 内部コアは西半球を伝わる波の速度が遅く、従来の地球コアモデルの予想と状態が一致していない
- 新たな研究は、内部コア表面に鉄が雪の様に降り積もる原理を示し、この状況を説明している
地球の中心には鉄とニッケルを主成分としたコアがあると考えられています。
しかし、それは地下の3000キロメートル以上深い場所の話です。現在の人類の技術では、どう頑張っても地下200キロメートル程度までしかサンプルを取れないので、実際コアがどうなっているかは謎に包まれています。
特にコアの観測データは、地球中心部のモデルに基づいてシミュレーションされた結果と上手く一致していない部分があります。
この問題について、地球内核表層には、結晶化した鉄が雪のように降り積もっているというモデルが注目されています。
これは古くから提唱されているモデルですが、新しい研究は、このモデルの再考を提案しています。もしかしたら、地球の中心では鉄の雪が降り積もっているのかもしれません。
この研究論文は、四川大学のYoujun Zhang氏を筆頭とした国際的な研究チームより発表され、アメリカ地球物理学連合が発行する学術雑誌『JGR Solid Earth』に12月23日付けで掲載されています。
https://doi.org/10.1029/2019JB017792
地球中心はどうなっているのか?
地球の中心部のコアは、現在は鉄とニッケルによる固体の内核と、それらが液状となった外核で構成されていると考えられています。
地球中心は非常に高温高圧の状態のため、コアはもともと全て液体だったと考えられています。しかし中心部分は徐々に冷却されていき、鉄が結晶化して固体の内核が誕生しました。
けれどマントルと接する外核は未だに太陽表面と同じくらいの高温を保っており、水と粘度が変わらないくらいに溶けた流体鉄となっています。