暗黒エネルギーは観測間違いなのか?
今回の研究は新規の研究ではなく、同じ研究者が2016年に発表した論文の修正版となる研究です。Ia型超新星がどの時間を観測しても、常に光度が一定であるという考え方に疑問を投げかけています。
研究グループは超新星を含めるホスト銀河の年代などを観測することで、Ia型超新星の光度進化が銀河の年代や人口(星の数)によって異なることを発見しました。
この結果、Ia型超新星をすべて一定と仮定する観測には問題があるとし、加速膨張という宇宙モデルには再検討が必要だと主張しているのです。
しかし、この研究の主張については疑問の声もあがっています。
暗黒エネルギーや宇宙の加速膨張は、Ia型超新星の観測だけから主張されているものではなく、宇宙背景放射やバリオン音響振動など複数の観測からも支持されているものです。
また、今回の研究はサンプル数が少なく、現行で支持されている宇宙論を覆すには不十分な内容だと指摘する声もあります。
なんにせよ暗黒エネルギーは、「21世紀のエーテル」に例えられるくらい未知の存在です。これを単なる真空エネルギーと考える研究もあれば、高次元から漏れてくるエネルギーと捉える研究も存在しています。
もちろん今回のように、その存在を否定する研究も数々存在しています。エーテル理論も結局否定されたように、暗黒エネルギーはもしかしたら将来否定されることになるのかもしれません。
真相は今も、藪ならぬ闇の中です。