- 2018年5月以降、インド洋マヨット島の沖合で1カ月以上に渡ってうなりのような低周波が観測された
- 海洋調査の結果、該当の地点の海底に新しい火山が誕生してマグマが流れ出していることが判明
- この影響で、マヨット島付近のマグマだまりが空となり、地盤沈下も確認されている
2018年の5月から6月にかけて、インド洋のマヨット島30kmの沖で、奇妙な低周波のうなりが観測されました。
それは世界中の地震観測所で確認され、まるでハミングのように唸っていたといいます。
一体この不気味な音の正体は何なのでしょうか?
謎のハミングは多くの科学者の興味を惹きましたが、これがマヨット島沖で新たに誕生した海底火山と関連付ける研究が発表されました。
この論文はドイツのポツダムにあるGFZ(ドイツ地球科学研究所)の地震学者Simone Cesca氏を筆頭とした研究チームより発表され、地球科学に関する科学雑誌『Nature Geoscience』に1月6日付けで掲載されています。
https://doi.org/10.1038/s41561-019-0505-5
大地のうなり
今回の不気味なうなりが確認されたのは、アフリカとマダガスカルの間に位置するマヨット島沖の30kmの海底です。
低周波の不気味なうなりは、30〜40分近く続く場合もあり、最大でマグニチュード5.9の地震を伴いました。そんな振動が数千近くも観測されたのです。
2019年になって、フランスの海洋調査団がこの海域を調査すると、マヨット付近に新たな海底火山が誕生していることを発見します。
それは長さ5km、高さは0.8kmほどの火山でした。
今回の研究チームは世界中から集められたデータを元に分析を行い、この火山が不気味な振動を伴いながら誕生したというメカニズムを示しています。