新火山誕生のメカニズム
地球の地下深くは非常に高温で、岩さえが溶けてマントルというドロドロの液状になっています。ただマントルはどこでもドロドロに溶けているわけではありません。
地下深くなると圧力が高くなるため、岩石は溶けにくい状態になります。こうした高熱の岩石が地殻の活動によって上昇し、周囲の圧力が下がってくると溶けて集まりマグマになるのです。
このマグマは多量の火山ガス成分を含んでいます。これは地下の浅いところに来ると圧力が下がって気体になり、地上へ向かう強い浮力を生み出します。なので火山は、よく振ったあと炭酸ジュースの蓋を開けるのと同じような原理で起きるのです。
こうした原理で、火山のなかった場所に火山が誕生することもあるのです。
今回のうなりは、海底地下35kmにできたマグマ溜まりから、マグマが地殻を割りながら斜めに急速上昇してきたときの振動だったと考えられています。
マグマはもろくなっている地層に入り込み、小さな断層や亀裂を生みこの地域を揺さぶりました。その振動が深く埋まったマグマ溜まりの空洞と共振を起こし、独特の大きな低周波のうなりを生んだのです。
こうして新たな海底火山を生み出して吹き出したマグマは、1.5立法キロメートルに及ぶとされています。
しかし、今回起きた現象の規模から考えると、さらに多くのマグマが関与している可能性も高いと言います。