同種の天体を発見
今回の研究チームは、この天体を研究するために、同種の天体が存在しないかについて捜索を行いました。そして新たに4つのGオブジェクトを射手座A *の周りに発見したのです。
見つかったGオブジェクトの軌道は、周回するのに100年から1000年を要する非常に巨大なもので、それぞれが大きく異なった軌道を描いていました。しかし、そのスペクトルはG1、G2と同様の特性を示しているのです。
この事実は、関連しないまったく別々の場所でも、射手座A *の周囲ではGオブジェクトが形成されていることを示唆しています。
「この天体はそもそも巨大なガスの輪で、塊はそこにできた結び目」だという捉え方もありましたが、軌道をたどって回っていることが観測されたため支持できなくなりました。
研究者たちが考えている現在の可能性の高い説明は、これらの天体が全て元は連星で、それがブラックホールの重力の影響で融合して生まれたというものです。これが中心に星としての核を持ち、強く結合した塵の外殻を持つ特殊な天体を生むのかもしれません。
ただし結局のところ、この天体が何であるかは未だ解明されていません。
ブラックホールの存在する環境は本当に厄介だ、と天文学者たちは語っています。こうした場所に見つかる特殊な天体を明らかにするためには、もっと良い機器を開発して詳細に調べていく必要があるのです。
研究者は、同様のオブジェクトをもっと発見したいと語っています。いずれ、この謎の天体についても詳しい姿や解説が登場するかもしれません。しかし、それはまだ先の話のようです。