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「綿菓子みたいな惑星」の正体は、遠くから見た土星の姿かもしれない

2020.03.08 Sunday

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スーパーパフの想像図。/Credit:NASA, ESA, and NRAO
point
  • 極端に低密度で綿菓子に例えられる惑星「スーパーパフ」は、質量に対して極端に直径が大きい
  • この原因について、その正体がひょっとしたら土星と同じ環状惑星とする説が登場した
  • 遠方の惑星を見るとき、そのリングまで確認することは困難ため、低密度星として認識される

宇宙の比較的太陽系に近い場所で見つかった星系に、「スーパーパフ」と呼ばれる種類の惑星があります。

質量に対して非常に大きな直径を持った惑星で、綿菓子や発泡スチロールに例えられるほど極端に低密度です。

この特殊な惑星を発見して以来、天文学者たちはこの天体の理解に苦労しています。

一体なぜ、スーパーパフはこれほど低密度なのでしょうか?

そこで今回、「ひょっとしたらこのスーパーパフは土星のような環状惑星かもしれない」という説が登場しました。

研究では、非常に遠方の環状惑星をトランジット法(太陽にあたる主星との食)によって計測した場合、どのように見えるをシミュレーションすることで、スーパーパフの正体に迫っています。

該当の論文は、米国カーネギー研究所のAnthony L. Piro氏とカリフォルニア工科大学のShreyas Vissapragada氏の連名で発表され、天文学の科学雑誌『The Astronomical Journal』に2月28日付けで掲載されています。

Exploring Whether Super-puffs can be Explained as Ringed Exoplanets
https://iopscience.iop.org/article/10.3847/1538-3881/ab7192

異星人に土星はどう見える?

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カッシーニが撮影した土星。/Credit: NASA/JPL/Space Science Institute

研究者たちが考えたのは、もし土星を遠い星系の異星人が観測したらどう見えるだろうか? ということでした。

基本的に惑星のような、自ら輝かない天体を遠方から観測することは非常に困難です。

そのため、現在の系外惑星探索では、主にトランジット法という太陽にあたる主星と惑星が食を起こしたときの光の陰りを観測することで、その存在を確認しています。

この方法では、光を遮る程度によって対象の惑星の大きさを測ります。部屋のライトでも確認できますが、影は遠く離れるほどぼんやり滲みます。

そのため、トランジット法では惑星の存在や大きさを推定できますが、その姿がはっきり見えるわけではありません。

土星のように大きなリングを持つ惑星を、この方法で観測した場合、観測者はリングをはっきり見ることはできず、リングの直径を惑星の直径と誤認してしまう可能性があります。

もし遠い星系に住む異星人が、太陽系をトランジット法で観測したら、土星はリングを持った惑星ではなく、質量に対して非常に大きな直径を持つ低密度の惑星に見えるでしょう。(土星ほど太陽から離れた惑星を、トランジット法で見つけることは困難でしょうが…)

こうした予想が事実かどうか確認するために、今回の研究者たちは様々なサイズのリングを持つ惑星が、主星の前を通過する様子を高感度の計器で測定した場合どう見えるかをシミュレーションしました。

同時にリングを構成する材料について、様々なタイプを想定して調査しました。

するとその結果は、NASAのケプラーミッションが発見したスーパーパフについて、全てではないもののいくつかについては説明可能な結果を示したのです。

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