- 仮説上の存在だった新しい恒星が1500光年先に発見される
- 近距離にある伴星の重力により涙型に変形しており、さらにその部分だけに光の脈動が見られる
地球から1500光年の場所に、まったく新しいタイプの星が発見されました。
星は涙のしずく型をしており、片側だけが脈動変光するという他に類を見ないものです。
研究チームの天文学者ドン・クルツ氏(セントラル・ランカシャー大学、英)は「1980年代からこの種の星の存在は仮定されてきましたが、実際に見つかったのは今回が初めて」と話します。
研究の詳細は、3月9日付けで「Nature Astronomy」に掲載されました。
https://www.nature.com/articles/s41550-020-1035-1
星の基本スペック
星は「HD74423」と命名されており、分類としてはA型主系列星に属します。
スペクトルがA型の主系列星のことを指し、質量はおおよそ太陽の1.4〜2.1倍、表面温度は7600K〜10000Kの間です。
HD74423に関しては、太陽のおよそ1.7倍の質量を持ち、年齢は正確には不明ですが、太陽より若いことが判明しています。
HD74423は、アマチュア天文家がNASA所有の宇宙望遠鏡「TESS(トランジット系外惑星探索衛星)」から得られたデータを調べている際に発見されました。正体がよく分からなかったため、プロの天文学者であるクルツ氏らの研究チームに引き継がれています。