
- 水星はもっとも太陽に近い太陽系惑星であり、日中の温度は400℃にも達するが極点には氷がある
- 水の成分は小惑星によってもたらされ、太陽光線で分解生成されて極点のクレーターの影で凍りついた
- 水星は大気が無いため、日陰に熱の伝達はなく、このプロセスで300万年間に110億トンの氷ができた
太陽に最も近いため、非常に熱い惑星である水星ですが、探査機の調査により極点には氷が存在することが判明しています。
日中温度が400℃を超えるという過酷な環境の中、どうやって水星では氷が生まれるのでしょう?
新たな研究は熱い水星で水が巡り、極点に氷を作るプロセスについて、説得力のある化学的モデルを提案しています。
この研究は太陽系探査バーチャル研究所(SSERVI)の支援のもとジョージア工科大学の研究者Brant Jones氏を筆頭とした研究チームより発表され、2020年3月16日付けで天文学の科学雑誌『Astrophysical Journal Letters』に掲載されています。
https://iopscience.iop.org/article/10.3847/2041-8213/ab6bda
水星を巡る水の存在

水星に氷があるとしたら、まずその水分はどうやってこの星にやってきたのでしょうか?
これまでの有力な説は小惑星が水星に水を運んできたというものです。しかし、では小惑星はどうやって水を得たのかという問題が生まれます。
今回の研究は、もっと別のプロセスを提案しています。
水星は常に強い太陽風の中にあります。水星の磁場は地球の1%程度しかありませんが、この太陽風との影響により、惑星表面には強力な磁気竜巻のようなもので包まれています。
ここでは太陽風で運ばれた陽子(水素陽イオン)が大規模に取り込まれ水星の地表へと取り込まれていきます。
こうして水星の土壌には取り込まれた陽子は、鉱物中にヒドロキシル基(OH)を形成します。これが小惑星の衝突などで巻き上げられたとき、強力な太陽光線の熱によって分解、再結合されて水分子(H2O)と水素(H)を作り出すのです。
こうして生まれた水分子は、太陽風と水星の磁場で生まれる激しい磁気に飛ばされて、水星を巡ることになります。
そして一部は、極点近くのクレーターの中に落ちるのです。そこには永久的な太陽の影ができており、そこで水は氷になって留まることになるのです。

























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