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天王星の新たな秘密を30年越しで発見!ふしぎな磁気の泡「プラズモイド」って? (2/2)

2020.03.28 Saturday

前ページぐらつく天王星の磁気圏

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磁気の泡「プラズモイド」

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プラズモイド発生プロセスの模式図。/Credit:国立天文台/JAXA

プラズモイドというのは、磁気の泡のことをいいます。

上の図は、太陽に起こるプラズモイドの原理を図にしたものです。

磁力線がよじれて磁気リコネクションという磁力線のつなぎ直しが起きたとき、閉じた磁場が形成され、風船のようにプラズマの塊を包み込み、そのまま宇宙空間へ逃してしまうことがあります。

これは特殊な現象ではなく、木星や土星、金星でも起こっていて、地球でも実は起こっています

磁力は一般的に太陽風によって惑星の大気が吹き飛ばされるのを防いでいますが、このプラズモイドは惑星の大気を宇宙空間へ放出して失わせる原因になっています

ただ、人間のタイムスケールから見ると、この現象で宇宙に漏れる大気は非常に微々たるもので、地球のプラズモイドが宇宙に大気を逃がすのは10億年近くかかる現象です。

しかし、十分な時間が経てば、惑星の運命を変えるほどの影響をもたらします。火星は40億年の間に大気と水分を宇宙空間へ失い乾いた荒野の星になってしまいました。

ボイジャー2号のデータに見られた跳ねるような磁気の変化は、ボイジャー2号がこのプラズモイドの中を通過したためだと、研究者たちは推測を立てました。

実際、このデータ部分を3Dでプロットした場合、それはおよそ204,000キロメートルの長さを持ち400,000キロメートルの幅を持った円筒形の領域になりました。

おそらく、この領域内は他の惑星に見られるプラズモイド同様、イオン化した水素で満たされていると研究者は考えています。

この測定値で示されるプラズモイドは、内部が滑らかな閉じた磁気ループになっていました。これは通常自転する惑星で形成されるものと同様で、遠心力によって大気がプラズモイドに閉じ込められ形成されます。

研究者たちはこれが、木星や土星よりも大きな割合で、天王星の大気を喪失させているだろうと推定しています。

おそらく天王星大気質量の15%から最大で55%がこのプロセスで失われた可能性があります。

これは天王星が大気を宇宙に失った主な要因が、プラズモイドであった可能性を示唆しているのです。

もちろん、30年以上の昔に行われた、たった一回の観測飛行でわかることは多くありません。しかし、古いデータから新しい事実が発見されたことは興味深い事実です。

これこそが惑星科学の魅力的なところだと、研究者たちは語っています。

天王星の環を初めて温度測定した結果、なんと-196℃の超低温と判明

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