曜日の並び順の意味は?
なんとなく、曜日と惑星は関係あるだろうなというのは、漢字で名前を見たときに誰もが子供の頃から勘づいていたことだと思います。
英語でもSUNDAYは太陽(SUN)ですし、MONDAYは月(MOON)が由来と言われています。
しかし、曜日の並び順は、なんだかメチャクチャなように感じます。
太陽 水 金 月 火 木 土 というのが現代では常識的な太陽系の天体の並び順です。
ただ、これに気づいた古代の人々は天動説で夜空を見ていました。では天動説に従った並び順なら、曜日の順番と一致するのでしょうか?
しかし天動説における太陽系の天体の並びは、地球から遠いに順に「土星 木星 火星 太陽 金星 水星 月」となっています。
やはり、この並び順でも現在私たちが知る曜日の並び順とは異なります。
どう考えても太陽系の天体と関係のあるはずなのに、曜日の順番が天体の並び方と一致しない理由はなんなのでしょう?
これにはいくつか説があります。
1つは天体を音楽のテトラ・コードにあわせて4つおきに拾っていったというもの。
するとたしかに現在の曜日の並び順になります。
天体と音楽を結びつけるという発想は、古代のギリシャやピタゴラス、ケプラーなどの研究者が持っていたものです。
特にピタゴラスは音楽と数学にも重要な関係性があることに気づいており、調和する音は弦を整数比で区切った場合ということも発見しています。
このためピタゴラスは、天体の軌道は整数比で構成されていて、天体が軌道を巡ることで宇宙には音楽が鳴り響いていると考えていたそうです。
もう1つの説は、古代の人々が曜日とともに、1日の24時間も7つの惑星によって区切っていたというものです。
すでに紀元前15世紀頃のエジプト人たちは、日時計を用いて昼時間を12分割しており、また水時計(砂時計の液体版)を使って日のない夜時間も12分割に区切っていました。
昼時間と夜時間を統合して1日を24時間と定めたのは、紀元前2世紀頃のギリシャの天文学者ヒッパルコスと言われています。
彼らにとって遠い土星が週の第1日目の1時を支配する惑星であり、そこから24時間を7つの天体の並び順に振り分けていきました。
すると第2日目の1時を支配する惑星は太陽になるのです。これを繰り返して、1週間それぞれの日の1時を支配する惑星を並べていくと…
そう、馴染みある現在の1週間の並び順になるのです。
こうして見ると、1週間が7日間というのは長い人類の文化に関わる深い理由があるのです。
カレンダーを眺めていると毎月ズレていく7日間でワンセットという1週間の区切り方が、かなり不思議なものに思えてきます。
しかし、人類がその文化を捨てることが出来ずに現代まで世界中で継承し続けてきたということは、単純な合理性だけでは説明できない太陽系の星々への思いが1週間という周期には込められているのでしょう。
そんな人類の長い歴史に思いを馳せながら1週間を乗り切っていきましょう。
記事の加筆・修正をして再送しております。