テンセグリティ構造の不思議な仕組み
JK Brickworksが作ったテンセグリティの仕組みを考えてみましょう。
2つの圧縮材がどのようにバランスを保っているかを考えれば、仕組みを理解しやすいはずです。
下側のブロックは、接地しており土台の役割を果たしています。こちらは単体で安定しますね。
続いて、上側のブロックにはたらく力を考えましょう。
上側のブロックには重力がはたらきます。当然、重力は下向きの力なので、それをカバーするために上側ブロックのL字の先端を土台の先端を短いチェーンで繋いで支える必要があります。
短いチェーンだけではバランスが悪く、上側のブロックは手前や後方に倒れてしまいますね。
これをカバーするために、T字部分と土台を2本の長いチェーンで繋ぎます。
そうすると、それぞれのチェーンが、重力や他のチェーンによって生じる力を絶妙にカバーしてくれます。
圧縮材と張力材の相互作用によって、全体としてバランスを保つことができ、崩れることがないのです。
実は、うまくバランスを取ってテンセグリティを成立させるためには、圧縮材に3本以上の張力材が接続されなければいけません。
ですから、「JK Brickworks」が作った2本の圧縮材と3本の張力材によるテンセグリティは、かなりシンプルなテンセグリティとなります。
そして、圧縮材と張力材の数を増やすことで、下図のように複雑なテンセグリティを作成することもできます。
さらに、テンセグリティを利用したアートも数多く作成されています。