木造建築は、昔から害虫であるシロアリに悩まされてきました。
しかし近年の研究では、このシロアリが太陽光や風力と並ぶ「再生可能エネルギー」だと判明しています。
実は、シロアリは枯れた植物を食べることによって、石油の3倍もの潜在エネルギーをもつ水素を排出しているのです。
害虫として嫌われてきたシロアリですが、長期的な観点では、私たちを救うものとなるかもしれません。
再生可能エネルギーとは
再生可能エネルギーとは、太陽光、風力、地熱などに由来したエネルギーです。
その特徴は、どこにでも存在し、利用する以上の速度で自然界によって補充され、枯渇せず、CO2を排出しない点にあります。
石油や石炭、天然ガスなどの化石エネルギーはいつか無くなってしまうので、再生可能エネルギーの利用拡大は急務だと言えるでしょう。
さて、再生可能エネルギーの中には、「バイオマス」と呼ばれる分野があります。
バイオマスは動物や植物に由来する生物資源です。そして、その中には「木材」も含まれます。
一見、再生可能エネルギーではないように思えますが、未利用間伐材や廃材に限定したり、トータルで考えると二酸化炭素濃度を増やさないという考えにより、再生可能エネルギーとして認められています。
木質バイオマスに関しても、世界中で効率の良い活用方法が模索されてきました。
そんな中で、「木材から水素を生成する」シロアリが注目されるようになったのです。