惑星防衛
最近小惑星のニュースを頻繁に耳にするのは、このように世界中の天文台が連携して集中的に小惑星を追跡調査する体制が整っているためです。
今のところ地球にとって明確に脅威となるような小惑星は発見されていません。
しかし、恐竜の絶滅は小惑星の落下が原因であるとされており、その災厄はいつ地球に降り注ぐかわかりません。
そのため、世界の宇宙機関は来たるべき危険小惑星の接近に備え、入念な防衛体制を敷いているのです。
現在、小惑星に探査機をぶつけて軌道をそらすというダブル小惑星リダイレクトテスト(DART)というミッションがNASA主導で進められていますが、これが成功すれば人類にとって、危険な小惑星を回避する手段が1つ増えることになります。
今回の月軌道の内側に侵入されるまで気づけなかった小惑星も、発見から数時間で詳細な観測と軌道予測が完了しました。
後に「2020 HS7」と名付けられた小惑星は、静止軌道上の人工衛星に1200キロメートルまで接近しましたが、地球に何の被害をもたらすこともなく、安全に通り過ぎていきました。
これは丁度いい地球の防災訓練になったようです。