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人類が仕事の後の一杯を楽しみ始めたのはいつから? ビールの起源を探る考古学

2020.05.15 Friday

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Credit:depositphotos
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  • ビールの起源については、信頼性のある考古学的証拠が見つからないため明確になっていない
  • 新しい研究は、穀物が麦芽へ変換される過程で見られる細胞壁の薄化に着目
  • 粉砕などの処理を受けても残るこの痕跡から、ビールが作られた年代を特定している

暑い日が続いてくると、仕事の後には冷えた生ビールが欲しくなりますね。画像を見てるだけで飲みたくなる人も多いのではないでしょうか。

一方、「ビールの良さはよくわかんない…」という人も多く見かけます。

確かに初見でビールを美味しいと感じる人は、ほとんどいないでしょう。ハマるまでには時間を要する、クセのあるこの飲み物を人類が飲み始めたのは、一体いつからなのでしょう?

アルコールなどビールの化学成分は長く保存されないため、これまで人類がいつからビールを飲んでいたかという明確な証拠は見つかっていませんでした。

しかし、新しい研究は穀物の細胞構造からこの問題を明らかにできるとしています。

人類はいつからビールを楽しむようになったのか、その謎を追ってみましょう。

古代文明の記録

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粘土板「モニュマン・ブルー」© The Trustees of the British Museum

ビールは大麦から作られます。そのため、ビールの起源も人類が狩猟中心の生活を捨てて、農耕を初めた時代からだと考えられます。

ビールにまつわる最も古い記録は、紀元前約4000~3000年前にシュメール人が残した粘土板「モニュマン・ブルー」の中から見つかっています

ここには杵を使って麦を砕くビールづくりの様子が描かれているのです。

このためビールには5千年近い歴史がある、というのが通説になっています。ただ、メソポタミアのビールに関しては情報が少なく、完全にこの事実を裏付ける証拠が存在するわけではありません

人類がビールを飲んでいたという事実を裏付けるには、化学的な証拠を発見する必要があります。

そこで研究者たちが着目したのが、ビールの製造工程で現れる大麦の変化でした。

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