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恐竜のミイラが食べた「最後の晩餐」の正体が判明! ”偏食家”だったことが明らかに

2020.06.03 Wednesday

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「恐竜のミイラ」の化石/Credit: Royal Tyrrell Museum of Palaeontology

2011年、カナダ・アルバータ州の鉱山から、世にもめずらしい「恐竜のミイラ」が発見されました

「ボレアロペルタ(=北の盾)」と命名されたこの恐竜は、約1億1000万年前に生きていたノドサウルス科に属する大型草食恐竜です。

骨格だけでなく、皮膚組織や消化管などの内容物も残存していることから、最も保存状態の良い化石として知られます。

そして今回、ミイラの胃の中に残る内容物を調べたところ、この恐竜が死ぬ直前に口にした食べ物が明らかになりました。

ボレアロペルタの「最後の晩餐」は、果たして何だったのでしょうか。

サッカーボール大の内容物、その正体は…?

本研究は、ボレアロペルタを所蔵するロイヤル・ティレル古生物学博物館(カナダ)の他に、ブランドン大学、サスカチュワン大学(ともにカナダ)が参加しました。

以前の研究ですでに、胃に当たる箇所にサッカーボール大の内容物が見つかっていましたが、その詳細までは分かっていませんでした。

実は、恐竜の化石中に胃の残存物が見つかること自体、非常にレアなことなのです。

しかし、今回の新たな分析により、胃の内容物のほとんどは「シダの葉」であることが特定されました。内容物の詳しい組成はおよそ88%が咀嚼されたシダの葉で、7%がその茎や枝だったとのこと。

さらに細かく分別すると、シダ類が26種、コケや花粉、胞子などの小さな物が48種、裸子植物が13種、被子植物が2種となっています。さらに、現代の鳥類が消化の働きを助けるために飲み込む「胃石」も見つかりました。

研究チームが、ボレアロペルタと同時代・同地域に生きた大型草食恐竜の化石を参照してみたところ、同様にシダ植物を好んで食べた形跡が見つかり、反対に、恐竜時代に繁茂していたソテツや針葉樹はほとんど食べていませんでした

このことから、当時の草食恐竜はかなり好き嫌いが強かったことが伺えます。

研究チームのケイレブ・ブラウン氏は「内容物の状態の良さを考慮すると、ボレアロペルタの死は最後の晩餐のすぐ後だったことが分かる」と指摘します。

ボレアロペルタは死後、氾濫した近くの川に飲み込まれ、海まで運ばれて沈下し、化石となりました。そして、海底の泥の中に埋まったことで、酸化や腐食が防がれたと言われています。

ブラウン氏は「この結果から、当時の草食恐竜の消化機能や生理学など、骨格だけでは分からない過去を知ることでできるでしょう」と話しました。

今後も、ボレアロペルタの死因や詳しい生態など、よりリアルな実像を浮かび上がらせるために研究は続くようです。

https://nazology.kusuguru.co.jp/archives/50904

reference: scitechdaily / written by くらのすけ

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