- 人の色覚は、赤・緑・青の三原色をベースとする
- ハチドリは、この3色に加えて、紫外線も知覚できることが判明(4原色をベースとする)
米・プリンストン大学の最新研究により、ハチドリは人には見えない色の世界を見ていることが明らかにされました。
これはハチドリが、人には存在しない「錐体細胞(色の知覚に必要な視細胞)」を余分に持っていることに起因します。
実験では、紫外線を含む「非スペクトル色」の識別能力が証明されました。
ハチドリは、私たちには想像もつかない知覚の世界を見ていることが予想されます。
色の知覚
色を見るには、光に反応して波長を見分ける錐体細胞が必要です。
人間の錐体細胞は3種類あり、それぞれ「赤・緑・青」の波長を識別します。これが光の三原色であり、この3つを適当な強さで混ぜ合わせることで、人に見えるすべての色が作れます。
その可視色の範囲を示したものが、色度図です。
色度図に含まれない色は「非スペクトル色」と呼ばれ、残念ながら人には見えません。例えば、赤外線や紫外線がそうです。
しかし、色度図の底辺にある直線部分は「純紫軌跡」といって、そこに含まれる紫は人にも見える非スペクトル色になります。
これに対し、鳥類には、紫外線を知覚できる4つ目の錐体細胞が存在すると言われています。つまり、三原色に紫外線が加わることで、鳥類の可視色の幅は私たちよりはるかに広いと考えられるのです。
そこで研究チームは、コロラド州に生息するフトオハチドリを用いて、視覚能力のテストを行いました。