3Dの亜光速自転車のみえかた
次に研究者は、上の図のように、より現実に近い3Dで描いた自転車でシミュレートを行いました。
3Dの亜光速自転車は2Dと同じく、点の集合から作られています。
また3Dでは、それぞれの点に赤色の光を発するように設定が行われました。
色をつけたのは、光のドップラー効果を確認するためです。
光には波としての性質もあり、波長が長い赤色でも、亜光速での接近によって波長が圧縮され、より波長の短い黄色や青色、そして紫へと変化していきます。
上の図は赤く光る3Dの亜光速自転車が、光速の65%で目の前を通過したときの、みえかたの変化をタイムラプスで表示させています。
同じように赤く光る自転車でも、接近しているパーツは青や黄色で示され、遠ざかっていくパーツは赤黒く見えています。
最後のほうの、遠ざかっていく自転車が黒く表示されている図は、ドップラー効果によって自転車の発する色が可視光区域から外れた赤外線になったことを意味しています。
亜光速の世界では、形だけでなく色も変化してみえるのです。
上の図のように亜光速自転車の速度を光の90%に設定した場合は、さらに可視光で見える部分が狭まり、肉眼ではほぼみえなくなります。
また接近時の歪みも非常に大きくなり、立体的な原型を確認するのは困難になります。