光速に近づくにつれて「みえないゴム人間」になる
今回の研究により、もしSF小説などでリアルな亜光速バトルを描くときには、速度制限を設ける必要があることがわかりました。
光速に非常に近い場合(90%)、キャラや機体がゴム人間のように激しく伸び縮みしてみえるだけでなく、衣装や塗装の色も可視光域から外れてしまうからです。
しかし適切な速度設定を行えば、自分やバトル相手のカラーリングを変化させて表現できます。アクションに伴う歪みや変形の表現にも幅ができるでしょう。
1938年に出版された『トンプキンスの冒険』では、光の速度が自転車の速度よりわずかに早い奇妙な世界が描かれました。
この世界では僅かな加速によって周囲の景色が容易に歪み、景色の色彩が変化します。
トプキンスの冒険で描かれた亜光速世界の表現は、1905年(日露戦争勃発の一年後)に現れたアインシュタインの相対性理論に基づくものであるものの、あくまで想像の域をでませんでした。
しかし今回の研究によって、SFの想像が科学的事実と一致することが証明されたのです。
先に想像、後から科学……というパターンが的中した見事な例と言えるでしょう。
興味のある人は、参考にしてもいいかもしれません。
研究内容はイギリス、サリー大学のE. A. Cryer-Jenkins氏らによってまとめられ、6月3日に学術雑誌「Proceedings of the Royal Society A」に掲載されました。
https://royalsocietypublishing.org/doi/10.1098/rspa.2019.0703
https://nazology.kusuguru.co.jp/archives/46508