今月13日、米西海岸にあるオレゴン州・フローレンス市にて、珍妙な名前を持つ公園が誕生しました。
その名も「爆発クジラ記念公園(Exploding Whale Memorial Park)」。
施設自体は元からあるものですが、市当局が公園の新しい名前を一般公募で募り、最終的に投票で選ばれたのがこの名前でした。
このヘンテコな名前が選ばれた理由は、50年前のある事件にあったようです。
町に降り注いだ「クジラの死肉」事件
事件が起きたのは50年前、1970年の11月12日でした。
フローレンス近郊の浜辺に、全長14メートル、体重8トンもある巨大なマッコウクジラが打ち上げられたのです。クジラはすでに死んでおり、ひどい死臭を放って、近隣住民を悩ませました。
当時の様子は、地元報道局によって撮影されています。
しかし、オレゴン歴史協会の話によると、引き上げたり、砂中に埋めるにはあまりに巨大すぎたので、ダイナマイトを使ってこっぱ微塵にするという案が出たとのこと。
爆破でクジラを細かくすることで、海鳥やカニが死肉をついばみ掃除してくれることを期待したのです。
結局、作業員が半トンの爆薬を用いて、クジラを盛大に爆破させました。
しかし、爆破スイッチを押した瞬間、事件は起きました。
当時、リポーターを務めたポール・リンマン氏の言葉を借りると、「The blast blasted blubber beyond all believable bounds(爆破は予想された範囲をはるかに超えて、クジラの死肉を吹き飛ばした)」のです。
クジラの死肉は、近くで見物していた作業員や近隣住民、報道員たちの頭上に降り注ぎました。それだけでなく、細かい血しぶきは、はるか遠くまで吹き飛び、フローレンスの町が腐臭に包まれたのです。
中には、大きな肉片が現場から400メートルも離れた駐車場まで飛び、車の屋根を粉砕しました。食堂やコインランドリーも血にまみれ、近くにいた歩行者は、クジラの血脂でびしょ濡れになったそうです。
しかも、クジラ本体は、爆破後も大部分が巨大な塊のまま残り、結局、清掃員が砂浜に埋め立てることになりました。
このクジラ爆発事件は、フローレンスの住民に衝撃を与え、その後も語り継がれることになるのです。
こちらが、当時のニュース映像。